夫よ、そのサプライズは一体だれのため?
私はサプライズが嫌いだ。
パーティーもプレゼントも、どちらも。
とくに嫌いなのは「花束」。
すぐ枯らすし、手入れも面倒。
なのに夫は、女は花束を渡せば喜ぶと思い込んでいる。
たぶん、昔の彼女に喜ばれた経験が忘れられないのだろう。
まるで馬鹿の一つ覚えのように、サプライズで花束を買ってくる。
「また!」と、もはや別の意味でサプライズだ。
しかもあとで、私のクレジットカードに花屋の名前で請求が上がってくる。
夫は日本でクレカ審査が通らなかったので、
カードは全部私名義。
お金ないのに、嬉しくもない花に自分でお金を払う。
家計は一緒なので嫌でも払う。
(夫は極度のどんぶり勘定で家計を任せられない)
本当にやめてほしかった。
サプライズパーティーも同じくらい嫌いだ。
特に、友人や家族を大勢巻き込むタイプ。
それを夫に何度かやられた。
日本で開催された私のサプライズ誕生日パーティーの事。
日本人の女友達にとっては憧れの「外国式サプライズ」。
友人達はみな「い~な~、素敵な旦那様~!」と褒める。
でも、その中には幸せじゃない女もいる。
そういう女は妬んで、事前にわざとサプライズがバレるように小細工をしてくる。
そんな女友達、もはや友人ではないが、
夫はそんな事情は知らない。私と一緒にいた事がある人に招集をかける。
表向き自分が主役で気を遣い、時には妬まれて意地悪される。
サプライズがあると分かった時点から終わるまで、本当に気が重い。
日本では女友達が、夫の実家では従妹が、その“意地悪小細工”をしてきたので、
毎回、サプライズ前からバレていた。
おまけに夫は嘘が下手。
私は、驚いたふりをして喜ぶ一連の流れに、心底疲れた。
初めて訪問した夫の実家でのこと、私の誕生日サプライズパーティーを開催した。
夫は、私の初お披露目と“よい夫ぶり”を家族・親戚大勢の前でアピールした後、
「約束がある」と言って、私を残したまま幼なじみと飲みに出かけた。
――え、何この状況。
夫の田舎の訛り混じりの英語はほとんど聞き取れない。
英語が理解できないと分かると、みんな話しかけてこなくなる。
主役なのに独りぼっち。
知らない人たちの中で、ただ座っている時間が永遠のように長かった。
そのとき、喜びよりも怒りしか湧かなかったのは言うまでもない。
そう、これ。
私を喜ばせるためじゃなく、周りに「よい夫ぶり」を見せるためのサプライズ。
夫の努力の方向が、完全にずれている。
サプライズより、黙って家事をしてくれるほうがずっと嬉しい。
でも、そんな地味な努力人に見てもらえないし、知ってもらえない。
自分を偽るのがしんどくなった頃、はっきり伝えた。
「サプライズは嫌いだから、もうやめて。」
やっとやめてくれた。
――夫へ。
ひねくれた私で、本当にごめん。

