個人事業開業 → 法人設立へ
【第6章:英会話教室経営時代】
仕事: 英会話教室経営
世帯年収: 約400万~800万円
社会保険: 後半で加入
ついに、満を持して英会話教室を開業。
開業当初はALTの仕事と並行しながら教室を運営していた。
夫は教えることと経営方針や運営に専念し、私はその他経理と事業に係わる事務方すべて担当。
まだ幼い子ども二人を抱えて、開業準備から運営まで毎日が全力だった。
すべてが手探りで、悩みがあっても悩む暇がなかった。
夫を活躍させる場を整えること。
不本意ながら、それが私ができる唯一の仕事になっていた。
【第7章:法人設立とその後】
仕事: 法人経営(英語教育関連事業)
世帯年収: 約900万→1000万円超
社会保険: 加入
個人事業から法人化し、世帯年収は900万円へ。やがて1000万円へ。
これって“成功”なのかな。
でも、私はなぜか達成感がないし、やる気も次第に失せていった。
バイリンガルの従業員が増え、私のサポートが不要になると、
夫は新しい事業を次々に手掛けていった。
英語教育に関連する様々な分野へ。
失敗もあったが、夫の計画はおおむね成功していった。
-ALTのその後について-
日本語ができない、なにかしらの専門知識もないALTが日本で収入を上げるには、
関連事業を始める以外の道しか私には思いつかない(あるんだろうけど)。
しかし、“英語を教えられる”ことと、“英語教育事業を経営できる”ことは、
まったく別のスキルが必要だ。
夫はもともと大学で言語教育を学んでいたが、英会話教室を開業後、
さらに英語教育の専門性を高めるため通信で修士号を取得。
経営の知識も独学で学び、日本語を学ぶよりも経営に全力を注いでいた。
私は、開業から事業が軌道に乗るまでのことを思い出すだけで、いまだに精神的ダメージを負う。
実家は遠方で頼るところもなく、子育て・経営・夫婦間の問題に追われる毎日。
さらに、業界的には“大卒が当たり前”の世界で、
高卒の私は完全に場違い。
営業に関わるたびに自信を失い、委縮してばかりだった。
事業経営の覚悟も、英語教育に関する知識も全くなかった私にとって、
あの頃は、ただただ必死で勉強して立ちまわっていただけの日々だったと思う。
経営に関して夫婦の衝突が絶えなかったのに、離婚しないでここまで来たのは奇跡。
日本でカタコト日本語のALTとの結婚を考えている人は、心しておくといい。
「家族は私が養える!」「実家太いから大丈夫!」「一緒に力を合わせて起業する!」
どれかの覚悟が必要だから。
……先輩ぶってごめんだけど。
少しだけ、実感をこめて。